HOTSHOT-整理整頓

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整理整頓が苦手だと言う人が多い。目まぐるしい毎日のなかで、苦手なのではなくてする暇がないと言うのも事実だろう。しかしそれはイメージの貧しさがもた らすことだとも思える。作りながら片付けること。作り上げたらすぐ片付けること。世の中のいろいろな仕事や作業の起承転結を考えてイメージするとき整理整 頓や片付けることが欠落しているとしたらその仕事や作業は不完全になる。デザインの世界では無駄を省き余計と思えるものを極力排除する考え方が主流で、か と言って無駄な部分が全くないものは色気がなく面白くない。デザインの整理整頓の過程のなかで製品の使用されるプロセスと使用がすんだ後の生活からの フェードアウトの仕方。あるいはフェードインの可能性などを含めてそれらの起承転結の美について新たな考えを巡らせたい。製品の成り立ちや存在が社会にお ける人や人生のメタファーになっていると言う気がして興味深く思う。画一化された個性の乏しいきれいな商品群。そしてそれを求めるその商品群のような人 々。伝統と高級が売りの高価なブランド品と伝統や高級品がなぜ高価なのか理解しない愛好者。愛好者が多いという理由で店を開く海外ブランドの経営者。伝統 や文化とは何なんだろうか。起伏に富んだ内外の伝統や文化そして気候風土の違いはコンディショニングされた現代社会ではフラットになりいつでも食べられる 世界各地の食べ物同様ありがたいものにならない。今年のように暑い夏は人を狂わし正気に戻す。いろいろな点で今までと同じでいいとは思えないことに気がつ く。身近な出来ることを地道にやろうと思う。整理整頓が的確に出来ずイメージを具体的にしていない結果循環を鈍くしている。次の作業や仕事に取り掛かる前 の余裕が保てず常に満杯の状態になり追われてなおかつ追いかけるようになる。自分たちの身の回りもこの国の状況も同じだと言う気がする。何かを作るという ことは出来ても整理整頓や起承転結をイメージして仕事の出来る人は本当に少ない。何を作っているのか解らないし知らないのと同じことになっている。自戒を 含めて。 ミック・イタヤ

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