PICTURE DIARY 0505FR2017

pd20170405s
子供のころからの慣わしで、菖蒲湯を浴する。菖蒲の葉を刃に見立て、強い子に育つように。邪気を除ける。男の子は大人になり、男と言われるようにになっても強くありたいことに変わりはない。じいさんになっても。花屋に可憐な鈴蘭の小さな花束があり求める。もうひとつ残った花束を、今夜はもう店を閉めるからとまけてくれる。大好きな香り。

PICTURE DIARY 0405TH2017

pd20170504s
渋谷東急本店8階美術サロン、ヴェネチアンガラス工芸家、土田康彦展「窓のこと」オープニングトークイベント。盛況。見知った人のほんの何人か。美しいガラス作品を見、蕎麦をたぐり、自転車を押して歩く。上天気、いい気分。以前のアトリエがあった松涛界隈を行く。アトリエの倉庫に借りていた家は残っている。すぐ近くに住んでいた友人の洋館はそのままある。ドアが新しいアルミニウムになり美から少し遠退いた。変化、恐れずに。またヴェネツィアに行ってみたい。

PICTURE DIARY 0305WE2017

pd20170503s
バスが日の丸を掲げて走って行く。月の乙女たちをゆっくりとスケッチする。描き込んでは消し描き込んでは消し。水やりをして可愛らしい野菊の枯れた葉を落とす。膨らんだ薔薇の蕾を眺める。水をやる。車で踏切を渡るとき、右手50メートルほどのところに電車が止まって、乗客たちが線路上をゆっくり歩いて来る。まるで通りすがりの幻のよう。故障なのか事故なのか。スケッチの線を重ねて強くする。鉛筆の触れる、ほんの0.1ミリの太さやはね、かすれの具合で表情が去る。現れる。

PICTURE DIARY 0205TU2017

pd20170502s
Bunkamuraザ・ミュージアムでニューヨークの写真家ソール・ライター展を見る。日本の美術に影響を受けた構図、トリミングが大胆。常に覗き見るような、あるいは、被写体やモチーフを窓ガラスに反射させ、オーバーラップした作風。画家になりたくて、生活のために写真を撮り始めたということだが、なるほど絵も展示している。絵も面白いが、写真に絵心を生かす道は正しかった。

PICTURE DIARY 0105MO2017

pd20170501s
午後の雷凄かった。少しずつ膨らんだ薔薇の蕾が驚いて弾けるほど。すべては自然の力や出来事の中で生きている。花の絵を描こう。花の美しさを描こう。きっと見つかる、僕にしか見えない姿、僕にしか聞こえない言葉、僕にしか感じられない香り、僕にしか感じられない棘の感触、僕にしか感じられない花弁の味。

PICTURE DIARY 3004SU2017

pd20170430s
上野へ、「茶の湯」特別展を見に行く。名物茶碗や道具類、書画の軸など、流派を越えた名品の数々に、茶の道の歴史を興味深く面白く拝見し、未だに漠とはしているが理解と認識を新たにした。一体、足利将軍家の茶周辺の事物に対する執心の尋常ならざること。利休の目利きの卓越と昇華のセンス。遠州の新古典主義的平安貴族文化へ寄せるロマンチック。不味や織部などに顕著な、継承の独自性と美学。大陸文化との仏教をはじめとする交流の中で、日本で独自の熟成をして、茶の湯が今も続いている事実。足利の将軍が青磁の椀を割ってしまい、中国に同じものをくれと送り返したが、それ以上の名品はもう無いと、かすがいを打ち繋いで送り返して来た話、好きだ。利休のたった一幅残る肖像画の印象、神経質な太さ、特に興味をそそる。大陸に渡るとき、日本から何を土産にしたのだろう。

PICTURE DIARY 2904SA2017

pd20170429s
昨夜夜更かししたので今日はゆっくり。小さな庭を蝶が舞うように飛ぶ。最初は黒揚羽、若い揚羽、紋白蝶、高速の青筋揚羽など。季節と共に良い知らせを運んで来る。午後は文章書きに費やす。人気がなく静かなのが良い。言葉にせよ絵にせよ、閃くに相応しい機会がある。常々心掛けることだが、忘れるためにメモをとりスケッチを描く。何しろ記憶しない。

NEWS-TBS/ワザビト

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ミック・イタヤがデザインする「すずも提灯」が取り上げられ
照明器具としての提灯についてコメントしています。
5月14日、日曜日夜9時54分TBSテレビ「ワザビト」。
ぜひご覧ください。
http://www.tbs.co.jp/wazabito/

PICTURE DIARY 2804FR2017

pd20170428s
M女史ニューヨークから一時帰国。MUMIC004直行参加、久し振りに会えて嬉しい。心意気を感じるよ。MUMICは毎月1回最終金曜日に開催予定。次回は5月26日。毎回音楽家の肖像、F60号を1枚描き、スケッチ7枚と共に次回のMUMICまで、約1ヶ月間展覧する。とは言え気楽なサロン。今回のモチーフはグラムの貴公子「MB」。10人入れば満員の小さなロックバーにご来臨、次回は誰を描こう。

PICTURE DIARY 2704TH2017

pd20170511s
たまに行く、一種類だけの煎餅を焼いて商う煎餅屋で、並んでいるのは煎餅よりカメラが目立つような変なところのある老舗だが、注文した煎餅を包む間、そのカメラを何気なく眺めているとライカというロゴが目についた。主人にライカですね。と言うと、中国製ですよと言って見せてくれる。手に取って見ると確かに中国の言葉で刻印がある。その奥のもう1台の同じようなライカを目で示して、あれは?ああ、あれはソビエト製。見せてもらうとソビエトの言葉で刻印がある。昔は西の国の製品を複製して、国内で大量に製造販売していたと説明してくれる。主人は大変なカメラコレクターらしく、8×10、4×5のカメラも数台ずつ所有していると言う。ストロボやアクセサリーも集めていると言いながら出してくれたのはマグネシウムをのせて発火させ、鳩が出ますよ!の金属製だった。お土産に箱買いしたという「写るんです」の30周年記念モデルをどうぞと1台差し出され、危うく煎餅代を払うのを忘れるところだった。代金を受け取りながら、家のがあんたこれどうすんのよってうるさいんだよ、と小声で言う。そうだろうなと微笑みながら僕もなんとなく小声で、また、と言いながらそっと帰る。