PICTURE DIARY 1609SU2012


近所からは祭囃子の音が聞こえる。外に出ると神輿が交差点の日陰に休んでいる。ぼくの二代目のアシスタントだったY女史の一人息子がウィーン少年合唱団に入ることになった。4年間の寄宿舎生活を送る。1年のうち半年程は公演で世界中を廻るという。天使の歌声を携え、世界平和への親善大使の役割がある。10歳。ご両親の決断は想像に余りある。ご子息本人の強い希望があったという。頼もしい。ぼくの10歳の頃、生まれ故郷の町の体育館にウィーン少年合唱団が公演に来た。ヨーロッパの天使たち、ウィーンの天使たちを見たそれが最初だった。お揃いの制服と美しい歌声に、遠い見知らぬ異国の匂いを嗅いだ。そのステージの光景は瞳に焼き付いている。天使たちは愛と平和への祈りを謳う。無垢な存在のすべてを素直に差し出すようにして。

One Comment

  1. ミックさん、改めましてお礼を申します。
    息子の肖像を作品にしていただけて感動です。
    書いていただいた文章もとても感慨深いです。

    彼も近くきっと歌声をお届け出来ると思います。
    そのときは真っ先にお知らせしますね*

    愛と感謝を込めて
    ゆきえ

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