PICTURE DIARY 2101TU2014

PD20140121s
昼食を摂っていると、隣の席にやって来た客の男性は70代位の上品に身なりの小柄ながら恰幅の良い紳士で、その後の会話の内容からすると、飲食に関係する仕事で、もしかしたら料理評論家かも知れない。連れの女性は50代の、やはりきちんとした上品な目立たないように気を遣った服装で、こちらは秘書か編集者の風情。近所に仕事か何かの用事で来て、女性の知る店で昼に、と言うことらしい。ここは美味しいと言うことで連れて来たようだ。白金の某レストランはギャルソンやシェフの全員がロブションの出身者であることや、うどんは蕎麦はどこの何が旨いの不味いのと、果ては今時、もう旨いものなどありはしないなど言う。連れの女性が家庭料理は?と言うと、ふん!と鼻で退ける様子など、口調以上にきっぱりしていて、食を極めた感が滲んで、ほんの少しだけ痛く、不幸な気もする。それにしても、ここの料理をけなし始めたら厭だなぁ、と思う。すぐ隣のベンチシートに座っているので、どうしても会話が耳に入る。むしろ男性の客は耳に入れたいとでも言うように話すので、連れの女性がほんの一瞬返答に躊躇する場面もあった。二人ともにこやかに話しているのではあるが、面白いような面白くないような話で、俄然こちらは消化に良くない。二人はデザートに杏仁豆腐を一つ頼んで、杏仁杏仁と女子供は言うけれど、あれは元々何だか知っているか?知らないだろ?喉の薬なんだぞ、と言いながら、男性の客は小さくゴホッと咳をして、厨房に向かって美味しかった!ごちそうさん!と帰って行った。

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