PICTURE DIARY 2109FR2012


STUDIO AZZURROの展覧会オープニングレセプション。川崎市民ミュージアムへ。STUDIO AZZURRO結成30周年、川崎市民ミュージアム開館25周年の記念展ということでもある。「KATARIBE」と題した都市シリーズの映像インスタレーション作品で構成される。イタリア各地の古い町、そしてアメリカの古い町としてのサンタフェ。そこに住み暮らす人々の語りで削り出し構築した町の立体的イメージ。壁面に等身大で映し出された人々に手を触れて呼び止めると彼や彼女たちはぼくたちに語り始める。会場に入るなり作品「Sensitive City」に登場した老女の「わたし、天使に助けられたのよ。」という言葉に引き寄せられた。天使に抱きかかえられて嵐の中から助け出されたことがあるという。サンタフェ、ナバホ族の共同体プエブロの女性の話振りと表情が印象に深い。霊性の高さを思う。日活100周年記念上映。日活アクションの世界という展示と映画の上映が10月一杯の毎週末になされる。赤木圭一郎が映画「打倒ノックダウン」で使用したヘッドギアや石原裕次郎が「零戦黒雲一家」で使用したゴーグル、女優たちの衣装等、こじんまりとではあるが興味深い展示。ぼくが子供の頃に「銀星」で観た映画も何本か上映にプログラムされ、その小道具も幾つかがここにある。人に必要な情報とアトラクションの幅や奥行、さらには浅さ高さと足元の奈落の果て。古代の日本、中世の日本、近代の写真家や日活映画、イタリア、ミラノのアーティスト集団STUDIO AZZURROの映像作品をほぼ同列で紹介しているこのミュージアムで、何をどのような順序で見るか考えると静かな興奮をおぼえて。

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