PICTURE DIARY 2305WE2012


機会を得て葉山、逗子方面へ。「魚竹」で昼食。カウンターに座った老夫婦と店のご主人の会話が耳に入って来る。「沖縄に上陸と言うのを知った時には、日本は負けると思いましたねぇ」、「そうですねー」同年輩のお二人の会話に、今日初めて会うにもかかわらず、同時代を生き抜いて来た戦友同士とでも言った心のふれ合いを見て、厳かな気持ちになった。「またいらしてください」、「お気をつけて」、「お元気で」。道路に面した店のガラス戸の前で迎えに来たタクシーに乗り込む老夫婦に、カウンターの中からご主人、奥さん、お嬢さんと、皆が出て見送る。食後、海岸へ。人のほとんど居ない草の上に横になり、空と海を感じる。ギャラリー蓮へ。何も調べずに来てしまい、ギャラリーの休館日とは知らずインターホンを押した。何かパンフレットのような、いただくことの出来るものは無いかと訊ねた。出て見えた女性に親切にしていただき、休館日のギャラリーに案内されて、開催中の「それぞれの香り/香と書と印」、「書」小林桃子さん、「香」渡辺えり代さんの展覧を見せていただき、ご丁寧な作品など、展覧会の解説を受けた。これからセミナーをひかえたお忙しい時に、貴重なお時間をいただき、自分の気儘に呆れ、ご案内くださった女性の徳の高さに心よりの感謝をする。MOONRISEWATERのコレクションへ。毎年2回のショーを逗子の海辺のフラットで開く。服やアクセサリー等を数日間だけ。多摩美の友人のMICHIKOのブランド。ハワイ在住のMICHIKOは、ビンテージクローズやナバホのターコイズ、シルバーやビーズなどを、あらゆる点で自分の気に入った状態にして発表している。MICHIKOの性格のようにカラリとして屈託の無い品々に心が軽やかになる。昔話や世間話、多摩美時代の秘蔵写真などを見て大笑いしているうちに、あっと言う間に時は過ぎる。会う機会は年に一度有るか無いかなので、お互いの空白を埋めるには時間が充分とは言えない。

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