PICTURE DIARY 0706TH2012


最近思う事の一つに自分の作風がある。作風とは関係が無いことかも知れないが、子供の頃の些細だがなぜか忘れられないエピソードがある。それは決断力の無さととらえられもする。近所の駄菓子や文房具を売っている店でプラモデルの欲しいものが2つあり、一つしか買うお金のない時に、その商品の隅から隅まで眺め、中身を取り出して組立てたり、完成して遊ぶ様子を想像して、どちらが楽しいかじっくりと吟味したりしていると、店のご主人に「決断力の無い子だな!」と叱るとも呆れたともとれる様な言葉を投げかけられたりすることがあった。あるいは、美大を卒業した頃にポートフォリオを持って、この人こそは、と思う人に作品を見せるのだが、決まって「作品のタッチを絞らないとダメだ。」と言われる。欲張りなのか飽きっぽいのか、いろいろなものが好きなのだし美しいと思う物はたくさんある。しかし、見る方にとってみれば、何をして行きたいのか、はっきりとしない、散漫なやつ、と言う風に思われたのだろう。そして、自分では敢えて今でも絵やデザインの領域で、決まった、決定的な作風を持たないというつもりでやって来た。今は自分の特徴や苦手な部分をかなり知ったと思えるが、得意や不得意を全て包括して融け合わせたようなビジョンがやっと見え始めているところだろうか。今後も、あれやこれやと好き勝手な模索の道は続くだろうが、いつもそんな自分らしさから、新しい自分らしさが生まれようとしている。

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